りゅうの目のなみだ
目がらんらんと光っていて、口は耳まで裂けている。
口からは炎のような息を吐き、うなり声はまるでかみなりのよう。
うっかり人が近づこうものなら見つけしだいに呑んでしまう。
誰もが恐れ震え上がるりゅうをけれどもちっとも怖がらない子どもがいました。
「かわいそうだよ、どうして誰もあのりゅうをかわいがってやらないの」とその子は涙を流します。

ある日子どもは自分の誕生日にぜひりゅうを招待したいと言いだし、ついにはりゅうを探しに出かけます。
「ぼくは、ね、おまえさんをいじめはしない。まただれか、いじめようとしたってかばってあげる」。
山の奥深く、洞窟にやっと探し当てたりゅうは、思いがけないこの子のことばに涙をながします。
やがてその涙は川になり、りゅうは子どもを背に乗せ、その川の流れに船のように浮かびました。りゅうは波をけたてて子どもの町へと向かいました。

巌谷小波がその作品を「もっぱら善を語ろうとするかにみえる」と評した言葉をそのまま創作の道しるべにして多くの作品を残した浜田廣介。
思いやりや優しさ、いたわりや慈しみに焦点をあてた作品群の中でもこの「りゅうの目のなみだ」はやさしさが極まる名作です。
柔らかな描線と繊細な色使いで評価の高い画家、植田真さんが困難な絵柄をものしてくれました。

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