エッセイ

ことわざって、
楽しい勉強法!

満点ゲットシリーズ
ちびまる子ちゃんの続ことわざ教室

監修:時田昌瑞

聖徳太子が憲法十七条で使った「和をもって貴しとなす」や、 『源氏物語』にある「玉にきず」ということわざは、 1千年以上の昔から現代まで伝えられ、生きつづけているものです。 そして、鎌倉時代の『平家物語』などに「栴檀は双葉より芳し」が現れ、 室町時代の狂言になると「氏より育ち」など、使われることわざの数が増えます。
 江戸時代になると万を超すようになり、井原西鶴や近松門左衛門などを始め、 さまざまな文芸や生活のいたるところで、ことわざが使われました。 同時に、絵や彫物、塗り物、織物などにも表現されてことわざが楽しまれた、 「ことわざの黄金時代」となりました。

時代が明治になると、国の西欧化の流れにともなって、 西洋のことわざが積極的にとり入れられるようになりました。 現代でもよく使う「二兎を追う者は一兎をも得ず」「鉄は熱いうちに打て」 「おぼれる者はわらをもつかむ」は、どれも明治時代に翻訳されたものです。 そして、第二次世界大戦後の日本は、伝統や古くからの文化を軽視し、 ことわざもおろそかにする傾向も生じていましたが、1970年代あたりから、 ことわざの再評価がみられるようになりました。

五七五の十七音の俳句より短い語句で、 人間や社会のありとあらゆる事柄を巧みに言い表すことわざは、最も短い言語の芸術です。 「猿も木から落ちる」「鬼に金棒」「鳩が豆鉄砲をくう」 「へそで茶をわかす」「はっても黒豆」などなど、 多種多様に表現される「ことばの宝庫」でもあります。

そんな「ことばの宝庫」である、ことわざの世界へのとびらを開けて、 子どももいっしょにことわざを楽しみましょう、というのが『ちびまる子ちゃんの続ことわざ教室』です。 この本を読めば、ことわざが楽しくてためになるものだと、感じてもらえると思いますよ。

時田昌瑞
ことわざ学会理事

1945年生まれ。早稲田大学文学部卒。
著書に『岩波ことわざ辞典』『岩波いろはカルタ辞典』(岩波書店)『ことわざで遊ぶ いろはかるた』(世界文化社)『常識として知っておきたいことわざ』(幻冬舎)など。

書籍情報

満点ゲットシリーズ
ちびまる子ちゃんの
続ことわざ教室

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