認知症で娘のことをわすれていくおばあちゃん。
彼⼥を⾒つめながら今までのことをしっかりと⼼の中に刻み込む娘、
そして、その⼆⼈の思い出を聞きながら想いを馳せる孫娘…。
中央公論⽂芸賞を受賞した『家族じまい』の
登場⼈物が織りなすもう⼀つの物語です。
⽣まれ、育ち、そして様々な出会いを経て、やがて⽼いていくこと、
そのすべてが”たいせつなじゅんばん”だということがこの作品に描かれています。
おんなのこがおんなのひとになり、しあわせの階段を上がる時も、
⽼いていろんなことを忘れていく時も、
すべてがかけがえのないものだというメッセージが⼼に響きます。
推薦文
桜⽊紫乃先⽣からの
作品に込めたメッセージ
写真/原⽥直樹
桜⽊紫乃プロフィール
北海道⽣まれ。2002年「雪⾍」で第82回オール讀物新⼈賞を受賞。2007年、同作を収録した『⽔平線』で単⾏本デビュー。2013年『ラブレス』で第19回島清恋愛⽂学賞、『ホテルローヤル』で第149回直⽊三⼗五賞を受賞。近年の著書は『緋の河』、『家族じまい』(第15回中央公論⽂芸賞受賞)、『ブルース』(コミカライズは共著・もんでんあきこ)、初エッセイ集『おばんでございます』、『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』など。
オザワミカさんからの
メッセージ
オザワミカプロフィール
愛知県出⾝。イラストレーター。書籍や雑誌のイラストや演劇の宣伝美術を主に⼿がける。2010年の漫画家・江⼝寿史⽒との2⼈展「reply」など展⽰活動多数。2019年リボーンアートフェスティバル⻘⽊俊直展ディレクター。フリーブックレット『BOOKMARK』イラストデザイン担当。
絵本『いつかあなたをわすれても』の
もう⼀つの物語
第15回中央公論⽂芸賞受賞作
家族じまい[集英社⽂芸単⾏本]
認知症の⺟と齢を重ねても横暴な⽗。両親の⽼いに姉妹は⼾惑い、それぞれ夫との仲も揺れて…。別れの⼿前にあるかすかな光を描く⻑編⼩説。
1,600円(本体)+税
ISBN 978-4-08-771714-3