第二章

是非!
学校の先生に、学生に読んでほしい!
作家のエピソードを満載、
作家を好きになる、
古文や文学が好きになる、
読者が退屈しない、本作り。

読者を退屈させない、古典、漢文など、文学が好きになる、本作り。

“ここに収録されたいろんな名文を読んでみると、一人の人間が悩んだり、苦しんだりして文を書いていることがよくわかります。名文を読んだら、書いた人のことも知りたくなるでしょ? だからその説明は少し踏み込んで書いてみました。調べてみると、どの人も“過剰なエネルギー”を持った人たちでした。「過剰なエネルギーを文にぶつけたところに名文あり!」といいたいぐらいだ。”(本書あとがき「人が書いた」より)

・作家についての人間的な興味を大事にしたい。
「ゴッホはゴーギャンと友達だった。耳を切った。精神病院に入った。自殺した」私達は彼の絵についての説明「後期印象派で、うんぬん」よりも、彼の人となりについて多くのことを知っている。人柄まで掴んでいるのでゴッホの作品に血が通いだす。ゴッホは大人気だ。ベートーベン、モーツァルト、太宰治しかり。作家は総じてユニークなキャラクターの持ち主。それを知れば好奇心が刺激されて、作品に特別興味が湧くものです。藤原定家は二十四歳の時、殿上で同僚に馬鹿にされ、燭台で殴りつけたというからすごい。芸術至上主義歌人の強烈な性格。こんなエピソードを交えながら定家と『百人一首』『新古今和歌集』の授業をしてくれたら、おそらく古文に強く惹かれたに違いない。でも、現実は作品の小難しい解釈ばかりの授業です。私達は読めば読むほど、古文・文学が好きになる本を目指しています。

本書の太宰治の作家紹介を見てみよう。
“1909(明治42)年6月19日、青森県北津軽郡生まれ。ふたご座。小説家。人間の弱さを知り、身を投げ出すような命がけの問いかけで人気を博した。『走れメロス』だけを見ると、健康健全の代表選手みたいだが、むしろ、読者を虜にするような毒と深みが真骨頂。「死のうと思っていた。」で始まる第一作品集『晩年』。「生れて、すみません。」は『二十世紀旗手』の冒頭。『人間失格』という名タイトルの小説には「恥の多い生涯を送って来ました。」との一文もある。はては遺作の題名が『グッド・バイ』。他の作品に『斜陽』『富嶽百景』など。太宰治、夏目漱石、宮沢賢治は永遠のベストセラー御三家。1948年没。享年38。”

紀貫之は偉大な文学的な業績を残しているが出世しなかった。一茶は弱者への視点を句にしたが実生活では遺産相続で12年も粘り込んだ、したたかな男。夏目漱石の脳は、今も東大にアルコール漬けされて保存されている。など、本書は興味深いキャラクター紹介や、エピソードを数多く掲載しました。  次へ


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